【裁判】【男性側】細かい面会交流条件を定め、不動産から妻に出て行ってもらうことによる和解離婚が成立した事案

紛争の内容
家庭内別居の状態にあった夫婦における裁判を担当しました。
家庭には、中学生の子、義理の親がおり、相談者としては、自分の名義でローンを組んでいる住宅ローン付不動産から妻に出て行ってもらいたいと考えておりました。
子の親権についても争いたい一方、時間がかかると受験等に影響しますし、面会交流等もより制限的になるだろうと考え、子の意思を何よりも尊重できるなら、親権を譲っても良いと考えておりました。

交渉・調停・訴訟などの経過
最初に、調停前置主義に従って、離婚調停を行いましたが、話は平行線のまま、相手は財産開示すら進めず、不成立になってしまいました。このように相手が誠実に対応しないと、訴訟を免れないことにもなります。
訴訟では、調停での経緯を含め主張、立証しました。
裁判を担当する裁判官は、調停の内容を把握しているわけではありませんので、必要に応じて、調停の流れを補っておく必要があります。
その結果、財産分与について審理を進めることとし、何度も期日を重ねて、お互いの財産を確定しました。
それでも、半年以上の時間があっという間に過ぎて行きました。

本事例の結末
結論としては、最も問題になっていた住宅問題(相手は、自分が住むこと、売却することを求めていました)については、夫が住み続けることとし、代償金(不動産価値-ローン残高=共有財産とし、これを2分の1にした金額)を支払って、妻に出て行ってもらうことになりました。その代わり、親権については譲歩し、しかし、面会交流については、父母双方が子の意思を最大限尊重することが確認され、アメリカのように週に何度か父のもとに行ったり、宿泊付きの交流を認めるようにすることができました。

本事例に学ぶこと
離婚そのものに争いがなくても、財産の開示が受けられなかったり、財産の分け方で合意できなかったりして、離婚が成立しない場合があります。
もちろん、離婚だけ先にして、財産分与は別途離婚後の調停で話をする方法もありますが、離婚をしてしまうと婚姻費用が受け取れないことや財産分与が2年以内に調停を起こさなければ無効になること、なにより、離婚とともに取り決めるのが自然であることから、やはり離婚できないことが少なくありません。
そのような場合、裁判で決着をつけるしかありません。裁判所を通じて、具体的な預貯金が分かっていれば、調査嘱託(裁判所から金融機関に調査を依頼すること)を行うなどして、可能な限り、財産を調査することもできます。
・相手が財産を開示してくれない
・財産を隠している
・住宅の分け方について納得できない
このような方は、グリーンリーフ法律事務所にご相談ください。

弁護士時田剛志