夫側が妻側から財産分与を受けられた事例

紛争の内容

会社員の夫Aさんは、妻Bと結婚生活10年、二人の男児に恵まれましたが、妻Bが子育てが落ち着き、職場復帰してから夫婦の価値観の違いが鮮明になり、不仲になっていきました。

小学生の長男、保育園児の二男を連れ、妻Bは実家に帰ってしまい、Aさんの元にはある日突然妻Bの代理人弁護士から受任通知が届いたため、Aさんも弊社に依頼されることになりました。

交渉・調停・訴訟等の経過

妻Bは、別居直後に弁護士に依頼・調停の申し立てをしており、夫婦の離婚についての話し合いは、調停の場でなされることになりました。

調停では、双方の収入に基づき婚姻費用を早々に決め、その後離婚については争わなかったAさんが譲れなかった

・子ども達との親子交流
・妻との財産分与においての公平な話し合い

が争点となりました。

本事例の結末

二人の息子たちとの父子関係は元々良好で、子ども達も親子交流を望んでいたこと、Aさん自身も子ども達のペースを大切にして欲しいという気持ちから、親子交流については月一回の実施のほか、子ども達が望めば別途実施をする、という柔軟な決め方ができました。

また財産分与についても、Aさんの単独名義となっていた自宅がオーバーローンであること、Aさんの親からの支援があったこと、Aさんが持っていた高級腕時計は結婚前に購入していたことなどを前提に、妻Bの主張を一部排除し、むしろ妻Bから Aさんに預貯金50万円を分与してもらう形で合意することができました。

本事例に学ぶこと

親子交流は、やはり同居親にとって負担にならず、子どもと別居親とのそれまでとの良好な関係があることが何よりも重要になり、このような前提があれば比較的スムーズに合意できることが多いと感じました。

また財産分与は、「妻が夫から分与してもらうもの」という固定観念を抱きがちですが、正確な情報により、妻から夫に支払ってもらえることもあるので、思い込みにより諦めたり、過度な請求をしないことが重要と感じました。

弁護士 相川 一ゑ