紛争の内容
依頼者は、妻と長年にわたって別居していましたが、離婚しようにもどうしていったら良いのか分からず、弊所に相談にいらっしゃいました。
交渉・調停・訴訟等の経過
財産分与の対象財産は、主なものとして不動産だけでした。
もっとも、依頼者は高額の婚姻費用を支払い続けていて、とにかく早くに離婚したいと考えていました。
そこで、良く作戦を練り、不動産は妻に所有権移転するが、住宅ローンの残債は全て妻に一括で支払ってもらい、銀行からの債務を消滅させることを望みました。
私から妻へ電話し、特に徹底的にこちらが有利になろうなどとは考えていないことなど丁寧に丁寧に説明し、相手方ながら長時間の電話での会話を経て、一定の信頼関係を構築することができました。
そして、今回の条件を提示し、妻の収入状況からすると、銀行が債務者の変更を許してくれないため仕方がないのだという現実を説明し、残債一括を返済するための金策に走っていただくことができました。
本事例の結末
結果として、依頼者の要望どおりの解決をすることができました。
なお、弊所で懇意にしている司法書士にお願いし、登記手続もワンストップで終えることができました。
本事例に学ぶこと
相手方だからといって、ケンカしたり一方的な条件を突きつけるのでは解決からは遠のいてしまいます。
本件は、弁護士が相手方の話を丁寧に丁寧に聞き取ることで、早期解決を導くことができた事例となりました。
弁護士 平栗 丈嗣