紛争の内容
ご依頼者様は、既に妻との間で離婚すること自体の合意はできており、離婚届を出していた男性の方でした。
しかし、離婚が成立する前から別居が開始され、親権者を母としていた夫婦の間に生まれたお子様との親子交流について、具体的な条件を取り決めないまま離婚・別居に至ってしまったという事情がありました。
離婚後、お子様との関係を維持していくためには親子交流条件について早期に取り決めをする必要があると考えられたことから、ご依頼者様は当事務所に対し、親権者(元妻)側との親子交流条件の交渉についてご依頼をいただくこととなりました。
交渉の経過
親子交流条件の交渉にあたっては、いきなり月に何回、何時間といった具体的な条件を定めようとしても、実際にお子様と非親権者・非監護親であるご依頼者様との親和性や、親権者・監護親である元妻側の協力が得られるかどうかが分からなければ、適切な条件を設定することは困難であるという問題がありました。
そこで、まずは任意の親子交流を実施し、その結果を踏まえて継続的な親子交流条件を検討していく方針としました。元妻側の代理人と協議を重ね、親子交流の日程調整を行いました。
一度目の親子交流が無事に実現すると、その後は月に1回のペースで親子交流を継続的に実施できる状況が整っていきました。
この背景には、元々ご依頼者様が父としてお子様との親和性が高かったこともありますが、それ以外にも、ご依頼者様やそのご両親が親子交流の実現に向けて積極的に協力されたこと、そして子やその監護を担う元妻側への配慮が不可欠であるという現実的な視点をご依頼者様ご自身が理解し、実践してくださったことが大きく寄与しています。
本事例の結末
交渉の結果、月1回の頻度で、父方祖父母らも参加できる定期的な親子交流を実施する条件について合意することができました。
あわせて、お子様の夏休み・冬休みといった長期休暇期間を利用した追加の親子交流を実施する条件についても、合意を取り付けることができました。
本事例に学ぶこと
親子交流を離婚条件に組み込み、その後も適切に親子交流を継続していくために大切なのは、着実に親子交流の実績を積み重ねていくことです。
親子交流を継続して問題なく実施してきたという既成事実は、次の親子交流もまた問題なく実施できるという信頼の裏付けとなり、親権者・監護親側の協力も得やすくなっていきます。
また、離婚後の元夫婦間であっても、互いの立場に配慮しながら親子交流条件を調整していく姿勢が、円滑な合意形成のためには欠かせません。
非監護親が子どもとの関係を維持したいという思いだけでなく、監護親や子ども自身の負担にも目を向けた交渉を行うことが、親子交流条件についての合意を実現するための重要なポイントであると学ぶことができた事例です。
弁護士 相川 一ゑ
弁護士 小松原 柊






