紛争の内容
ご依頼者は、婚姻関係にあった夫の方でした。ある時期から妻より唐突に離婚を求められるようになりましたが、その理由に心当たりがなく困惑されていたところ、妻には交際相手がいたことが判明しました。
ご依頼者様は、ご自身で妻のSNSの投稿を確認され、婚姻期間中から交際相手との関係をうかがわせる内容を発見されていました。この事情を踏まえ、ご依頼者様は離婚を決意されるとともに、妻及び交際相手に対する慰謝料請求について、当事務所にご相談・ご依頼をいただくこととなりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
ご依頼にあたり、まず問題となったのは、妻と交際相手との不貞関係を裏付ける証拠が十分にあるかという点でした。ご依頼者様が収集されていた資料を精査するとともに、交際相手についての調査も行ったうえで、不貞の事実を的確に立証できるだけの証拠関係を整えました。
また、本件では慰謝料にとどまらず、ご依頼者様に生じていたその他の損害についても補填を求めるべき事情が認められたことから、これらを含めた請求を行う方針としました。
通知書を送付した後、妻側には代理人弁護士が就任し、当初は交際相手との関係自体を否定する対応がとられました。しかし、事前に保全していた証拠を提示し、婚姻期間中から交際相手との関係が存在していたことを具体的に指摘したことで、相手方の主張に対して的確な反論を行うことができました。
本事例の結末
交渉の結果、約200万円の賠償を条件として離婚を成立させることに成功し、実際に約200万円の慰謝料等を獲得することができました。
本事例に学ぶこと
本事例からは、不貞慰謝料請求において証拠の保全がいかに重要であるかを学ぶことができます。妻側から不貞関係を否定される展開は当初から予測されていたため、請求に先立ち、不貞関係を十分に裏付けられるだけの証拠を保全したうえで請求に踏み切りました。
実際、交渉の過程では、妻側から「婚姻関係が破綻した後に交際を始めた」との反論がなされましたが、保全していた証拠の中には妻の主張する時期より以前のものも含まれていたため、証拠に基づいた説得的な再反論を行うことができました。
配偶者の不貞が疑われる場合には、感情的な対立が先行しがちですが、後の交渉や訴訟を見据え、早期に証拠を確保しておくことが、適正な賠償の実現につながる重要なポイントといえます。
弁護士 相川 一ゑ
弁護士 小松原 柊





