妻による不透明な出金を追及した結果、財産分与300万円を受け取るなどの条件でもって和解離婚を成立させた事例

紛争の内容

Aさんは、妻Bが突然子供を連れて実家に帰り、その後Bから婚姻費用分担調停・離婚調停の申立てを受け、今後の対応について悩み、弊所に離婚の相談・依頼するに至りました。

交渉・調停・訴訟等の経過

婚姻費用分担調停について、当方は、探偵報告書などの証拠を提出し、「Bによる不貞行為が原因で婚姻関係が破綻したことから、有責配偶者(B)からの婚姻費用請求は認められるべきではない」と主張しました。

もっとも、同居中におけるBにおける不貞行為を立証するに確固たる証拠がないとして、家庭裁判所は算定表に基づいた標準的な金額の支払いを命じる審判を下しました。

他方、離婚調停について、なかなか話し合いでの解決を見出すことができなかったため調停不成立となり訴訟へ移行することになりました。

離婚訴訟で、争点は「財産分与」にシフトしました。

当方は、同居中におけるBによる不透明な現金出金の存在を把握し、かかる出金額が「使途不明金」に当たるためBの財産として計上すべきである旨主張しました。

これに対し、B側は「出金した分は生活費として費消した」と反論してきました。

B側の上記反論に対し、当方は、「同居中の生活費のほとんどをAさんが負担しており、Bの主張は根拠資料と整合が就かない」と再反論しました。 

本事例の結末

粘り強い主張立証の結果、裁判官から「妻による上記出金の一部が使途不明金に該当するため、Bの財産として計上するのが妥当である」との心証を得ることができました。

その後、和解により、Bが子の親権者となること・Aさんが算定表通りの養育費(子が20歳になる月まで)を支払うこと・BがAに対し財産分与として300万円を支払うこと等の内容での和解離婚が成立しました。

本事例に学ぶこと

離婚訴訟において相手方による不透明な出金を「使途不明金」として認定される場合はめったにございません。ほとんどのケースは「生活費として費消したと考えるのが自然である」と認定されてしまいます。本事案は、レアケースであり粘り強い主張立証による成果と考えられます。

今後、離婚についてお悩みの方はぜひ弁護士にご相談ください。

弁護士 吉田 竜二
弁護士 安田 伸一朗