紛争の内容
Aさんは、自身の不貞行為が妻に露見し、離婚の申し出を受け、妻側の弁護士からは当初非常に厳しい条件が提示されました。
Aさんは自らの非を認めつつも、今後の生活を考慮した「慰謝料の適正な減額」と、親として「子供との継続的な面会」を強く希望し、交渉を依頼されました。
実務上、有責配偶者からの離婚請求は認められにくいことから、相手方の感情を逆なでしないよう慎重な対応が求められます。
交渉・調停・訴訟等の経過
代理人間で交渉を進めながら、不貞の事実については真摯に謝罪しつつ、経済状況を客観的な資料(源泉徴収票等)で示し、法的な相場観を粘り強く伝えました。
また、慰謝料の減額、Aさんが求めている面会交流の実現に向けて努めました。
本事例の結末
粘り強い交渉により、慰謝料の大幅減額(約100万円の減額)、算定表通りでの養育費の額の支払・Aさんの要望がほぼ叶った面会交流条件等、といった離婚条件での同意が成立し無事公正証書の取り交わしを経て、離婚成立しました。
事案解決まで1年3か月を要しました。
本事例に学ぶこと
本件のように「有責配偶者(不貞をした側)」であっても、以下の3点が解決の鍵となります。
- 感情論と法的論点の切り分け: 謝罪の意思は見せつつも、金銭条件(慰謝料・養育費)については法的な相場から逸脱しないよう冷静に主張し続けることが重要です。
- 子供の福祉を軸にした主張: 面会交流は「親の権利」以上に「子供の権利」です。不貞と親子の情愛は別物であることを論理的に伝える必要があります。
- 長期戦を見据えた忍耐: 感情的なもつれがある場合、解決まで1年前後かかることは珍しくありません。焦って不利な条件を呑まず、適切なタイミングを見極める粘り強さが功を奏します。
弁護士 安田 伸一朗






