
紛争の内容
別居する配偶者(以下、相手方と言います。)が、離婚調停と婚姻費用分担調停を申し立てたとのことで、弊所にご相談を頂きました。ご相談者の方(以下、ご依頼者の方と言います。)も、お子様との面会ができていないために、面会交流調停を申し立てることになりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
初回の調停では、相手方が、お子様と面会をする際に、配偶者の父が立ち会うことを要求し、ご依頼者の方は、立合いは不要であると意見を述べたところ、相手方が立合いを了承できないのであれば面会は許可しないと回答しました。立合いを了承しなければ面会を認めないという主張に十分な理由はありませんでしたが、早期の面会を実現するために、初回は立合いを了承し、回数を重ねていくうちに立合いを無くしてもらう方向で交渉を進めることにしました。そのため、初回は1時間の面会で、相手方の父が近くで30分立ち会い、残り30分は離れた場所にいてもらうようにしました。
その後、立会人が遠くから見守る形での面会を2回程度行いましたところで、立会人がいなくても問題が無いということを主張して、立会人なしでの面会を行うようになりました。また、時間についても、初回は1時間でしたが、2回目から1時間30分となりました。
そして、お子様が3歳になったということもあり、調停において、面会時間を3時間に延ばすことを主張しましたところ、相手方から反対がなされたのですが、3歳程度であれば3時間の面会を認める裁判例もありましたので、当方から再反論を行いました。
本事例の結末
裁判官から和解の勧告があり、3時間の面会を行う内容での和解を勧められましたので、相手方が了承し、和解が成立しました。
本事例に学ぶこと
早期の面会を実現するために、まずは相手方の求める面会方法を了承して、その後、徐々に当方の要求を認めてもらうという方法があります。この場合、当方の要求の裏付けとなる裁判例等の法的根拠を確認しておくことが重要です。
弁護士 村本 拓哉