【離婚】不動産価格を巡る財産分与の争い

紛争の内容
ご依頼者の方は男性の方で、夫の側からの離婚のご相談でした。

ある日、急に妻と子が別居をしてしまい、離婚調停を申し立てられたことからご相談にお越しいただき、今後の対応などを踏まえてご依頼を頂きました。

交渉・調停・訴訟等の経過
離婚自体には争いがなかったものの、不動産を巡る財産分与について、相手方との間で対立が生じました。

不動産の評価額について、相手方は不動産業者の机上査定を根拠にした金額を主張しましたが、こちらは不動産鑑定士による厳密な査定に基づいた適正価格を提示しました。両者の主張には大きな差があり、交渉が難航しました。

当初は話し合いによる解決を目指しましたが、不動産評価額の乖離が大きく、調停は不成立となり、訴訟提起に踏み切りました。

訴訟においては、不動産鑑定士の査定書を証拠として提出し、不動産価格の客観的な妥当性を立証しました。一方、相手方の主張する不動産価値には客観的な裏付けがないことを指摘し、当方の正当性を主張しました。

本事例の結末
当方が提出した証拠資料などをもとに、調停時に提示された金額よりも、依頼者にとって有利な金額での和解が成立し、依頼者の方も納得するかたちで和解が成立しました。

本事例に学ぶこと
財産分与において、不動産などの高額な財産が関係する場合、適正な価値を証明することが非常に重要になります。

時には、不動産鑑定士などの専門家の意見を証拠として準備することで、客観的な説得力を持たせることができます。また、話し合いで折り合いがつかない場合でも、訴訟を恐れずに厳密な判断を求めることで、最終的により良い結果を導き出せる可能性があります。本件のように、訴訟という手段を選択することが、依頼者の利益を最大限に守るために必要な場合もあります。

離婚問題では、様々な争点があります。離婚その物に争いがない場合でも、きちんとして主張をすることで経済的に大きく変わることもあります。ぜひ一度弁護士へご相談下さい。

弁護士 村本拓哉
弁護士 遠藤吏恭