【面会交流】DV逮捕による別居・面会拒絶の状況から、オンライン交流を経て「直接面会」を実現させた父親の事例

紛争の内容

本件の依頼者様(夫・父親)は、妻に対するDV(ドメスティック・バイオレンス)を理由に逮捕されるという事態を起こしてしまい、その後、妻と子どもは恐怖から避難し別居状態となってしまいました。

依頼者様はご自身の行いを深く反省し、何よりも「子どもに会いたい、関係を修復したい」という強い願いを持っておられました。しかし、妻側は当然ながら強い恐怖心と警戒心を抱いており、当事者同士での接触や交渉は一切不可能(面会交流の完全拒絶)という、非常にハードルの高い状況からのスタートでした。

交渉・調停・訴訟等の経過

第1段階:感情のコントロールとオンライン交流の実現
DVが背景にある事案において、父親側が焦って感情的に面会を要求することは、相手方の恐怖心を煽り、面会の可能性を完全に閉ざしてしまいます。当事務所の弁護士は、まず依頼者様の「子どもに会いたい」という切実な想いに寄り添いつつも、プロの視点から「決して感情的にならないこと」「相手の恐怖心を理解し、慎重に段階を踏むこと」を強くアドバイスしました。 その上で、妻側の代理人弁護士と冷静かつ粘り強く交渉を重ね、まずは身体的接触がなく安全が担保される「代理人同士を介したオンラインでの面会交流」という条件で合意を取り付けることに成功しました。

第2段階:調停への移行と信頼の回復
オンラインでの面会交流を通じて、依頼者様がしっかりと決められたルールを守り、子どもと穏やかに接する実績を少しずつ積み重ねました。これにより、妻側の「子どもに危害が及ぶかもしれない」という警戒心を徐々に和らげていきました。 その後、家庭裁判所での面会交流調停へと移行しました。調停の場においても、依頼者様は弁護士の事前の助言を忠実に守り、感情を乱すことなく、誠実かつ冷静な態度を貫きました。

本事例の結末

オンライン交流での良好な実績や、調停における依頼者様の真摯な態度が客観的に評価された結果、最終的に調停において「直接的な面会交流(実際にお子様と会って一緒に時間を過ごすこと)」を実施する旨の合意(調停成立)に至りました。

当初は「自分がしてしまったことの重大さから、もう二度と子どもに会えないかもしれない」と絶望されていた依頼者様でしたが、弁護士の介入と適切なステップを踏んだことにより、再びお子様を直接その腕に抱くことができるようになりました。

本事例に学ぶこと

DVによる逮捕や避難・別居という事案は、面会交流において最も困難なケースの一つです。相手方が強い恐怖を抱いているため、ご自身だけで焦って直接会おうとすればするほど、事態は悪化します。

このような極めて困難な状況下では、以下のステップが不可欠です。

  • 第三者(弁護士)を介した冷静な交渉
    当事者同士の直接の接触は避け、代理人を通じて安全を担保する。
  • スモールステップの積み重ね
    いきなり直接会うのではなく、オンライン交流など、相手方が「これなら安全だ」と安心できる方法からスタートし、実績を作る。
  • 徹底した感情のコントロール
    専門家のアドバイスに従い、自己の感情を抑え、子どもの利益と相手方の安心を最優先に行動する。

ご自身の過ちで厳しい状況に立たされている父親であっても、専門家のサポートのもとで正しい手順と誠実な対応を重ねることで、親子の絆を取り戻す道は開けます。「どうせ無理だ」と諦める前に、まずは男性側の離婚・面会交流問題に強い当事務所へご相談ください。

弁護士 時田 剛志