自分は夫婦関係に問題はないと考えていたが、突如、妻から離婚を切り出される（別居が伴うことが多いです）というケースがままあります。
そのような場合、夫としてどのような対応をすべきでしょうか。
大きな括りでは以下の２つの思考方法があり得ます。
① 離婚の理由がわからないので離婚には応じられない。妻に改善すべき点等を確認し復縁を求める。
② 妻が離婚を切り出した以上、従前の生活に戻ることは期待できない。離婚もあり得るものとして離婚の条件等について協議を行う。
経験上、妻が定期的に離婚の話を持ち出すものの、ある程度の時間が経てば離婚話が立ち消えになるというパターンを繰り返している場合を除き、妻から離婚を切り出されたケースについて、①の思考方法で解決に至る（＝復縁する）可能性は極めて低いといえます。
確率からすると、離婚を切り出された段階で改善等の余地はないと妻に判断されたものと捉えた方がよいかもしれません。
あくまで離婚はしないという考え方もあり得ますが、その場合、別居中の妻に対して毎月の婚姻費用を負担して結婚しているという状態を維持するだけとなりますので、合理的な選択とはいえません。
それであれば、早い段階で②の思考方法にシフトし、有利な離婚条件を獲得することを目的とした方が建設的です。
夫の側に明確な離婚原因がなければ（最近は性格の不一致程度の理由しかないことが多くなっています）、妻は離婚という結論を得るために相当程度の譲歩をしなければならず、その点が有利な離婚条件の獲得につながります。
なお、離婚条件を検討する際には離婚までに発生する婚姻費用の総額を念頭に置く必要があります。長期間かけて協議を行い有利な離婚条件を獲得したものの、その間に支払った婚姻費用で獲得した離婚条件の優位性が失われるというのでは本末転倒です。
以上、夫側の現実的な対応について記載しましたが、妻から離婚を切り出された場合にすぐに気持ちを整理して離婚に向けた検討を行うということは容易ではありませんので、一つの考え方として参考にしていただければ幸いです。
