紛争の内容
依頼者の男性は、長年の妻からの不合理な態度を受け続けることで婚姻生活に限界を感じ、家を飛び出ました。しかし、妻は生活の保障を求めるばかりで自らの態度を省みることなく離婚を拒否しつづました。
交渉・調停・訴訟等の経過
調停において、妻は一環して離婚を拒否していました。その理由を深く探っていくと、延々と夫からの経済的援助を受けて自分は決して働かない・一生面倒を看て欲しい、という気持ちが見られました。
そこで、あえて相場よりも高い養育費を支払うことや、10年近いレベルで住宅ローンを夫が払い続けて無償で住まいを確保する条件を提示して離婚をできるよう交渉を進めていきました。
本事例の結末
最終的には妻も納得し無事離婚することができました。
本事例に学ぶこと
本件は正面から解決を図ろうとすると、離婚事由が明確にないため離婚自体に争いがある以上は苦戦を強いられることが必然でした。
そこで、妻側の真意を探り、妻が何を求めて離婚しないのか、離婚したくないのではなく何か別の目的があるのではないか、を知ることができました。
そこで、経済的メリットを提示し、どうにか離婚に辿り着くことができました。
本件のように、あえて法的な考えを外れることで、最善の結果に至ることができる場合もあります。柔軟に考えることで解決をすることができた事例となりました。
弁護士 平栗 丈嗣
