
ある日、妻の代理人という弁護士から書面が届いた。妻は子どもを連れて、すでに家を出ている。
そんな状況で、何から手をつければよいかわからない方は少なくありません。この記事では、返事をする前に知っておきたいことを順に説明します。
受任通知とは

受任通知は、妻が離婚や生活費の問題を弁護士に依頼したことを知らせる書面です。
多くの場合、今後の連絡は弁護士にすること、妻本人に直接連絡しないことが求められています。離婚の意思、婚姻費用、親権などの要求と、回答の期限が書かれていることもあります。
してはいけないこと

妻や妻の実家に押しかける、何度も連絡する
後の手続で、不利な事情として見られるおそれがあります。DVを主張されている場合は、保護命令などの手続に進むおそれもあります。
子どもを実力で連れ戻す
刑事事件として扱われたり、監護者を決める手続で不利に評価されたりするおそれがあります。
預金を引き出す、財産を移す・隠す
財産分与の手続で不誠実と評価され、財産の仮差押えを申し立てられることもあります。
通知を無視する
交渉で解決できる機会を失い、調停や訴訟に進むことになります。
内容を確認せずに署名する
送られてきた合意書や離婚届に、内容を確認しないまま署名するのは避けてください。
最初の2週間でやること

- 書面を読み、回答の期限を確認する
- 弁護士に相談し、こちらも代理人を立てるか決める。立てた場合、以後の連絡は弁護士同士で行います
- 自分の収入資料と財産の資料を集める。結婚前からの預金や相続した財産は、財産分与の対象外になり得るため、その資料も探しておきます
- 子どもとの関わりを示す記録を整理する。日々の世話、送り迎え、学校や園の行事への参加などです
- 婚姻費用の目安を確認する。妻から婚姻費用の請求や調停の申立てが続くことが多いためです
子どもを連れて別居された場合

子どもと暮らすことを望むなら、家庭裁判所に、監護者の指定や子の引渡しを申し立てる方法があります。急ぐ必要がある場合は、審判の前に仮の判断を求める手続(審判前の保全処分)をあわせて申し立てることもあります。
家庭裁判所は、これまで主に子どもの世話をしてきたのは誰か、今の生活が安定しているかなどを考えて判断します。別居の期間が長くなるほど、今の状態が重視されやすくなります。早めのご相談が大切です。
子どもに会えていない場合は、親子交流(面会交流)の取り決めを求めることもできます。2026年4月施行の改正法により、離婚後も父母がともに親権を持つ「共同親権」も選べるようになりました。
婚姻費用と財産分与で知っておきたいこと

婚姻費用
離婚が成立するまでは、収入に応じて妻と子どもの生活費を分担する義務があります。金額は、夫婦の収入と子どもの人数・年齢をもとに、裁判所の標準算定表で目安が決まります。妻が住む家の住宅ローンをあなたが払っている場合などは、金額の調整が問題になります。
財産分与
原則として、別居した時点の夫婦の財産が対象です。結婚前からの財産や相続した財産は、それを示す資料があれば、対象から外せる可能性があります。
よくある質問

受任通知を無視すると、どうなりますか
妻側は、離婚調停や婚姻費用の調停を申し立てるのが通常です。交渉で解決できる機会を失うことになります。
妻が主張しているDVやモラハラは、事実ではありません
事実と違う点は、記録や資料をもとに主張することが大切です。妻に直接反論するのは避けてください。
自分は弁護士をつけなくても大丈夫ですか
相手に弁護士がいる場合、法的な知識や交渉の経験の差が、そのまま条件の差になりやすくなります。少なくとも一度は弁護士に相談し、見通しを確認することをお勧めします。
グリーンリーフ法律事務所にご相談ください
受任通知や調停の書類が届いた方は、回答や期日の前にご相談ください。ご予約の際に、回答期限や期日をお知らせください。
届いた書面をお持ちいただくと、初回60分の無料相談で、回答の方針まで具体的にお話しできます。男性の離婚を担当する弁護士が対応します。
この記事の監修:弁護士 時田 剛志(弁護士法人グリーンリーフ法律事務所/埼玉弁護士会所属)
グリーンリーフ法律事務所は、設立以来35年の実績があり、18名の弁護士が所属する、埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。
また、各分野について専門チームを設けており、専門チームの弁護士は、各担当分野について知識・経験とも豊富で、大きな強みを持っています。まずは、一度お気軽にご相談ください。
この記事を書いた弁護士:弁護士 時田 剛志
離婚
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所所属、埼玉弁護士会所属の弁護士。
平成27年12月登録後、離婚・男女問題案件を多数手がける。財産分与・親権・養育費・婚姻費用・面会交流など離婚に付随する複合的問題に幅広く対応し、協議・調停・訴訟のいずれにも精通。力強い交渉と柔軟な解決策を武器にしており、法テラス民事法律扶助審査委員の経験も有し、有責配偶者対応から寄与分の変更まで実績も豊富。法的解決にとどまらず、依頼者の平穏な生活の回復を目指したトータルサポートを実践している。







