シングルファーザー(父子家庭)のための手当・制度一覧

近年離婚する夫婦が増えている中で、シングルファーザー(父子家庭)も珍しくないといえます。そこで、「シングルファーザーだけど、公的扶助を受けることができるのか?」、「そもそも、どんな手当てを受けられるのか?」などのお悩みを抱えている方へ、専門家が解説する内容となっております。

父子家庭の手当・制度一覧

父子家庭だからといって公的援助を受けられないことは全くありません。
以下では、母子家庭に限らず、父子家庭も受けられる手当についてご説明いたします。

なお、公的援助は、各市町村によって異なりますので、詳しい内容はお住いの市町村役場にお問い合わせください。

1 児童手当

児童手当は、埼玉県に限らず全国で、0歳~中学校卒業までの子供に対して支給されます。
この額は、都道府県・市区町村によって変わらず、一律でございます。

ちなみに、埼玉県の場合、

対象年齢 月々の支給額
0歳~3歳未満 1万5000円
3歳~小学校修了 1万5000円
中学生 1万円
所得制限額以上の場合 5000円

なお、所得制限額やその他詳細については、お住いの自治体でご確認ください。

また、児童手当法の改正により、2022年10月以降、扶養家族の人数にかかわらず世帯主が年収1200万以上の世帯は、児童手当の特別給付から除外されましたのでご注意ください。

2 児童扶養手当

ひとり親世帯は、児童手当に加え、子供の年齢が18歳の3月31日までを対象に児童扶養手当が支給されます。

埼玉県の場合(令和4年4月から)、

子供の人数 所得制限額未満(月額) 一部支給
1人 4万3,070円 4万3,060円~1万160円
2人目加算額 1万170円 1万160円~5,090円
3人目以降加算額(1人につき) 6,100円 6,090円~3,050円

児童扶養手当は、18歳の年度末まで支給されるため、「大学資金」として活用することも可能であります。

3 医療費助成

子供の通院や入院でかかる保険診療の医療費一部負担金を助成する制度であります。

対象年齢や助成内容は、県内の各市町村によって異なるため、お住まいの各市町村役場にご確認ください。

例えば、埼玉県春日部市の場合、
【支給対象年齢】 入院の場合:0歳~18歳3月31日
         通院の場合:0歳~15歳3月31日
【助成内容】   保険診療でかかる一部負担金の全額

子供は大人に比べて免疫力も弱く、病院にかかる機会も多いと思います。
健康にかかわる出費を抑えるためにも、このような制度をぜひ活用してみてください。

4 住宅手当

離婚成立後、新たに住宅を確保する場合、初期費用や家賃などの経済的負担は避けられません。
そのため、住宅確保について悩む方もいらっしゃるかと思います。
そこで、ひとり親世帯の住宅に関する支援制度があります。

入居が優遇されるひとり親世帯向け県営住宅

埼玉県の場合、県営住宅について、ひとり親世帯専用の入居募集枠が用意されております。
なお、一般的には募集が多い場合、抽選になります。

県営住宅の家賃は、世帯収入や間取りによって異なりますが、3万円程度が相場とされております。

ひとり親家庭住宅支援資金

埼玉県では、自立を目指しているひとり親世帯に対し、最大12か月分の住宅家賃(上限4万円/月)を県から借りることができます。

また、条件によっては貸付金の返還が免除されることもございます。

詳しくは、お住いの市町村役場の窓口でご確認ください。

父子(母子)家庭の家計を助ける割引・一部免除制度

全国の各市区町村では、ひとり親世帯の家計を助けるための割引・一部免除制度が整備されております。

1 保育料負担軽減 

減免額は自治体により異なりますが、一般家庭と比べて父子(母子)家庭であるほうがより多く減免される自治体もありますので、お住いの市町村役場の担当部署にお聞きください。

2 水道料金と下水道使用料の一部減額

児童扶養手当を受給しているひとり親世帯に対し、水道料金と下水道料金の一部を減額する制度があります。

どのくらい減額されるのかについて、埼玉県の場合を例に挙げますと、
【水道料金】   月々979円
【下水道使用料】 月々最大919円
減額されます。

申請する際は、児童扶養手当証書(役所支援課が発行)の写し・児童扶養手当受給状況同意書(水道局で用意)を持参のうえ、お住いの市町村役場の担当窓口へ行き、「水道料金減額申込書」をもらってください(さいたま市の場合)。

なお、自治体によって必要書類が異なる場合もありますので、申請する際は事前にお住いの役所に聞いてみてください。

3 所得税・住民税の控除

納税者がひとり親であるときは、一定額の所得税控除を受けることができます(「ひとり親控除」と言います)。

ひとり親控除は、令和2年分から適用され、所得税の控除額は35万円で、住民税の控除額は30万円になります。

ひとり親として所得税控除を受けるためには、原則その年の12月31日時点で、婚姻をしていないこと又は配偶者の生死の明らかでない一定の人のうち、以下の3要件のすべてに当てはまる必要があります。

(1) その人と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の人がいないこと

(2) 生計を一にする子がいること
この場合の子は、その年分の総所得金額が48万円以下で、ほかの人の同一生計配偶者や扶養親族になっていない人に限られます。

(3) 合計所得金額が500万円以下であること

 必要書類につきましては、お住いの市町村役場の担当部署にお聞きください。

4 JR通勤定期乗車券 3割引き(埼玉県の場合)

県内在住であり児童扶養手当を受給しているひとり親世帯に対し、「JR通勤定期乗車券」を3割引で購入できる制度があります。

なお、お子様が通学に活用する「通学定期券」には割引が適用されませんのでご注意ください。
この制度は、児童扶養手当を受給する保護者やその同一世帯の人が通勤定期券に活用できる割引です。

まとめ

離婚が成立し親権を獲得したものの、その後の生活に不安を持たれる方は多いと思われます。自治体はそのようなお悩みを持たれる方向けに、ご説明した制度だけではなく様々な手当制度を整備しておりますので、ぜひ活用してみてください。
まずは、お住いの市町村役場の担当部署に、申請のために必要な書類について聞いてみてください。

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■この記事を書いた弁護士
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 安田 伸一朗
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