共同親権と子どもの旅行。連休や夏休みの遠出に「相手の同意」は必要か?
共同親権と子どもの旅行。連休や夏休みの遠出に「相手の同意」は必要か?

こんにちは。弁護士法人グリーンリーフ法律事務所の弁護士 渡邉千晃です。

大型連休や夏休みは、子供たちにとってかけがえのない思い出を作る大切な時間です。しかし、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」を選択した家庭にとって、この時期は「どこまで一方の判断で子供を連れ出して良いのか」という実務的な悩みが浮上する時期でもあるかと思われます。

そこで、「実家への帰省を相手に反対されたら?」、「内緒で海外旅行に行ってもいい?」といった疑問について、法的観点から解説していきたいと思います。

共同親権の基本:2つの決定カテゴリー

共同親権の基本:2つの決定カテゴリー

共同親権下では、子供に関するすべてのことを二人で決めなければならないわけではありません。2026年に施行された改正民法では、意思決定を大きく2つのカテゴリーに分けられています。

「重要な事項」:父母の合意が必要

教育(進学先)、居所(引越し)、重大な医療行為などがこれにあたります。これらを一方の独断で決めると、親権の行使を妨害したとして法的なトラブルに発展するおそれがあります。

「日常の事項」:一方が単独で決定可能

日々の食事、習い事の選択、短期のレジャーなどは、基本的に、子供を現に監護している親が一人で決めることができます。

では、「旅行」はこのどちらに該当するのでしょうか。

ケース別:この旅行に「同意」は必要か?

ケース別:この旅行に「同意」は必要か?

旅行が「日常」か「重要」かの判断は、主に「期間」や「場所」、「目的」などによって左右されると考えられます。

【ケースA】国内の短期旅行・実家への帰省

通常、数日から1週間程度の国内旅行や帰省は、「日常の事項」に含まれると解釈できます。

そのため、法的には相手の明示的な合意がなくても、旅行を強行すること自体が直ちに違法となる可能性は低いと考えられます。

ただし、後述する「面会交流」のスケジュールとの兼ね合いには注意が必要です。

【ケースB】長期間(数週間〜)にわたる滞在

夏休みを利用した1ヶ月近い滞在などは、単なるレジャーの枠を超え、相手が子供と接する機会を不当に奪うとみなされる可能性があります。

この場合は「重要な事項」に準ずるものとして、事前の相談と合意が強く推奨されると考えられます。

【ケースC】海外旅行

海外旅行は、国内旅行とは全く異なる注意が必要です。

まず、パスポートの申請・更新には、原則として共同親権者双方の署名が求められるかと思われます。

また、相手の同意なしに子供を国外へ連れ出すことは、ハーグ条約(国際的な子の連れ去り)との関係で「不法な連れ去り」と認定されるリスクもあるかと考えられます。

したがって、海外旅行については「双方の合意が必要な重要事項」として扱うべきかと考えます。

トラブルを防ぐために

トラブルを防ぐために

では、トラブルを防ぐためには、どうすればよいのでしょうか?

ここでは、せっかくの旅行が離婚後の紛争の種にならないよう、以下の2点を意識すると良いかと考えます。

① 面会交流権を尊重する

もし旅行の日程が、あらかじめ決めていた「相手が子供と会う日」と重なっている場合、独断での旅行は面会交流の拒否とみなされるおそれがあります。

「旅行に行くからこの日の面会は無し」と一方的に告げるのではなく、「旅行と重なるため、別の日(振替日)を設けても良いか」と打診するのがよいと考えられます。

② 「事前通知」を習慣化する

法的に「同意が不要」な短期旅行であっても、「行き先」「期間」「緊急連絡先」を事前に共有しておくことは極めて重要だと思われます。

何も知らされていない親からすれば、もし子供と連絡が取れない期間が生じると不安になってしまいますので、後々のトラブルを防ぐためにも事前に知らせておくことは重要だと考えられます。

まとめ

まとめ

「共同親権になったから、旅行のたびに相手にお伺いを立てなければならないのか」と息苦しく感じる必要はありません。ルールを正しく理解し、事前に適切な共有を行うことで、むしろ堂々とお子様との時間を楽しむことができると考えられます。

もし、相手方から「勝手に連れ出すな」と強く制限されていたり、逆に相手が子供を連れてどこかへ行ってしまう不安があったりする場合は、早めに専門家へ相談に行かれることをお勧めいたします。

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■この記事を書いた弁護士

弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 渡邉 千晃

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